VYMとは?特徴と基本情報をわかりやすく解説
VYMの概要とバンガード社の背景
VYM(Vanguard High Dividend Yield ETF)は、アメリカの大手資産運用会社であるバンガード社が提供するETF(上場投資信託)です。
VYMは、安定的に高い配当を支払う企業の株式に分散投資を行うETFであり、個人投資家から高い人気を誇ります。バンガード社は低コストで知られ、長期保有に適した商品を多く取り扱っています。
VYMの主な投資対象と組入銘柄・構成比率
VYMの投資先は米国株式市場に上場する大型・中型の高配当株です。構成銘柄には、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)、JPモルガン・チェース(JPM)、P&G(PG)など、世界的にも有名な企業が多数含まれています。
セクター別には、金融、ヘルスケア、生活必需品、エネルギーなどに広く分散されています。
ETF・投資信託としてのVYMの分類と特徴
VYMはETF(Exchange Traded Fund)であり、証券取引所を通じてリアルタイムで売買が可能です。投資信託との大きな違いは、取引の柔軟性とコストの低さです。VYMの経費率はわずか0.06%と、非常に低コストで運用ができます。

VYMの配当金推移と最新実績データ【直近・過去5年比較】
配当金支払いスケジュール
VYMは四半期に一度、年4回の配当を行います。具体的には、3月・6月・9月・12月に分配金が支払われます。配当金の権利確定日を過ぎてから数営業日後に、実際の支払いが行われます。
直近の分配金実績と配当利回りの推移
2023年および2024年の配当実績では、1株あたりの年間配当は約3.7ドルでした。利回りは市場価格によって変動しますが、2024年時点で約2.8%前後で推移しています。年によって多少の変動はありますが、概ね安定した分配実績があります。
配当+値上がり益を加味したトータルリターン
VYMは配当だけでなく、株価の値上がり益(キャピタルゲイン)も狙えるETFです。
過去5年間で見ると、配当込みのトータルリターンは年率平均で約8〜10%となっており、堅実な成績です。
他高配当ETFとの比較(HDVやSPYDなど)
VYMは、同じく高配当ETFであるHDVやSPYDとよく比較されます。VYMは構成銘柄数が多く、分散性に優れています。
一方で、HDVはより厳選された銘柄に投資しており、利回りはやや高め。SPYDは利回りが高い反面、景気変動の影響を受けやすい傾向があります。
VYM配当金で月1万円・月5万円を得るシミュレーションと戦略
配当目標(月1万円/月5万円)を得るための必要資産
VYMの利回りを2.8%と仮定し、月額の目標金額を得るには次のような計算が可能です:
- 月1万円(年間12万円)÷ 0.028 = 約428万円
- 月5万円(年間60万円)÷ 0.028 = 約2,143万円 つまり、月1万円の配当を得るには約428万円の元本が必要ということになります。
シミュレーション事例:VYM配当金生活の実現性
仮に25歳でVYMに月3万円積立し、利回り2.8%・年利回り8%で30年間積み立てた場合、資産は約4,000万円以上に到達。
月5万円の配当も十分に狙える水準です。時間と複利の力を味方にすれば、着実に配当収入を増やすことができます。
実体験:配当金でお小遣いをまかなえた私の話
投資を始めた当初、正直「配当で生活費の足しになるなんて本当かな?」と半信半疑でした。最初に買ったETFがVYM。
数万円分だけの購入でしたが、四半期ごとに数百円でも配当が入り、投資が“現実の収入”に変わる感覚を味わいました。
それからコツコツと買い増し、3年が経った頃、年間の配当が3万円を超えたんです。ちょうどスマホ代やサブスク費用がまかなえるくらいの額で、「あ、これは意外とバカにできないな」と思いました。特に、家計に無理なく“副収入”が加わることの安心感は大きかったです。
また、株価が下がった時期ももちろんありましたが、「どうせ配当は入ってくる」と思えるだけで精神的なゆとりが違います。
現在は月1万円の配当を目指して積立中ですが、気がつけば自分のお小遣いの多くをVYMが支えてくれるようになりました。
投資は魔法ではありませんが、「継続と分散」があれば、誰でも少しずつ成果を感じられると実感しています。
VYM活用のポートフォリオ例と安定収益化のコツ
配当目的のポートフォリオとして、VYMを50%、債券ETF(AGG等)を30%、残りをREITや個別高配当株に分散する方法もあります。また、DRIP(配当再投資)を活用して複利の力を生かすのがポイントです。

VYMはおすすめしない?考えられるリスクとデメリット
VYMの価格変動リスクと配当金安定性の課題
VYMは株式に投資するETFである以上、価格変動リスクがあります。また、景気後退や企業業績の悪化により、配当金が減少する可能性もあります。
信託報酬や経費など運用コスト・費用比較
VYMの信託報酬は0.06%と極めて低いですが、海外ETFのため、為替手数料や売買手数料が別途発生する点は留意が必要です。
VYMが合わない投資家の特徴と他の選択肢
短期売買志向や、ハイリスク・ハイリターンを狙う投資家には不向きです。そうした方には、グロース株ETF(VUGなど)やブル型ETFの方が適している可能性があります。
VYM投資のメリット・デメリットを徹底比較
メリット
- 安定した配当収入
- 分散投資によるリスク軽減
- 経費率の低さ
- 長期的な資産形成に向いている
デメリット
- 為替リスクがある(円建てで投資する場合)
- 景気による株価・配当の変動
- 即時に大きな利益は出にくい
VYM投資を始める方法と注意点(NISA・証券会社・申込の流れ)
口座開設から購入までの手順
- 楽天証券やSBI証券などで口座を開設
- 米国株取引の設定を行う
- 円からドルに資金を両替(為替手数料あり)
- VYMのティッカーを検索し、成行または指値で購入
NISA活用や配当再投資のポイント
NISAを活用すれば、配当金や売却益が非課税になります。また、VYMは配当金を自動で再投資できるDRIP(Dividend Reinvestment Plan)に対応している証券会社もあります。
売却タイミングと注意点
米国ETFの売却は現地の営業日に行われ、T+2の決済ルールが適用されます。配当落ち日の確認や、為替のタイミングに注意が必要です。

VYMの今後と2025年配当金予想・長期保有の展望
市場環境・米国株動向とVYM配当金の今後
米国経済は2024年後半から回復基調にあり、企業の利益も拡大傾向です。これにより、2025年の配当は前年を上回る可能性が高いと予測されています。
専門家・ファンド情報提供から見る2025年の配当予想
アナリスト予想では、VYMの2025年年間配当は約3.80〜4.00ドル前後とされ、現行よりも微増が期待されています。利回りは約2.9%前後で推移する見込みです。
配当金生活に向けたVYMの将来性と運用アドバイス
長期保有を前提とすれば、VYMは安定的な配当収入と資産成長の両立が可能な商品です。インフレ耐性や米ドル資産への分散としても魅力があり、NISAやiDeCoでの活用も視野に入れると良いでしょう。
まとめ:VYMで目指す配当金生活|自分に合った投資判断のポイント
VYMは、「安定した配当」と「長期的な資産形成」を両立したい方にとって非常に有効な選択肢です。配当金で月1万円、5万円を目指すにはまとまった元本と時間が必要ですが、早めに始めれば現実的な目標となります。
リスクと向き合いながら、無理のない範囲での積立と分散投資を心がけ、自分に合ったペースで資産を育てましょう。
参考:VYMの過去5年の基準価額(2020年~2025年)
VYM(Vanguard High Dividend Yield ETF)の直近5年間の年6月時点での基準価額(米ドル)は以下の通りです。
年月 | 基準価額(米ドル) |
2020年6月 | 78.78 |
2021年6月 | 104.77 |
2022年6月 | 101.70 |
2023年6月 | 106.07 |
2024年6月 | 118.60 |
2025年6月 | 130.46 |
補足
- 2020年はコロナショックで大きく下落しましたが、その後は米国株式市場の回復とともに堅調に推移し、2025年6月時点で130ドル台まで上昇しています。
- この推移は分配金(配当)だけでなく、基準価額自体の値上がり益もVYMの魅力の一つであることを示しています。